KDDIエンジニアリング株式会社

3,300名のIDを一元管理、アカウント管理システムの安定運用が事業を支える

業種
建設業
事業規模
3000名〜
改善課題
コスト削減

KDDIエンジニアリング株式会社

従業員数:約3,300名(2025年3月現在)
所在地:東京
業種:建設業

導入前の課題

  • 業務システムの増加により、ID・パスワード管理が煩雑化
  • 手作業でのアカウント登録によるオペレーションミスが発生
  • 従業員へのデバイスの貸与・回収プロセスに手間がかかる

導入後の効果

  • 人事データとのシステム連携で、各種人事手続きのスピードアップとミス削減を実現
  • 退職処理フローを見直し、Microsoftライセンス管理をスマートに最適化
  • 従業員のデバイス貸与待ち時間を半減し、回収もスピーディに実現
導入サービス
アカウント管理ソリューション

アカウント管理システムが入社に関わる情報システム部の業務をサポート

-アカウント管理システムの役割をお聞かせください

工藤様:アカウント管理システムは、人事システムとActive Directory(以降AD)をシームレスに連携するためのハブとなるシステムです。単に連携処理をするだけではなく、アカウントを保持する特徴を活かし、従業員に紐づくデバイス管理の機能も持たせています。新しく従業員の入社が決まると、情報システム部ではパソコンなど貸与するデバイスの手配をする必要があります。人事部が人事システムに登録した情報をアカウント管理システムで受け取り、デバイスの情報を登録し物品の発送を行います。そして、発令と同時にADにアカウント情報を連携するフローになっていて、入社当日からスムーズに業務につけるような仕組み作りをしています。

 

-アカウント管理システムを検討した当時の課題をお聞かせください

竹中様:アカウント管理システムは10年ほど前に初期リリースをしています。当時、事業規模が大きくなると共に、ID管理ができていないという課題がありました。ファイルサーバーや様々な業務システムが増えていく中で、各々ばらばらのIDやパスワードが利用されていたため一元管理できるシステムの必要性を感じていましたし、入社時のAD登録が手作業だったため、オペレーションミスをなくすことも課題のひとつでした。

堀部様:今は、人事システムのマスターデータはアカウント管理システムに集められて、そこから各システムに連携されるようになっています。ADにはWindowsタスクで自動連携し、e-learningなど従業員が使用するシステムにもアカウント管理システムからデータを連携できるようにしています。オペレーションミスは格段に減ったと思います。

アカウントに紐づくデバイスも一元管理し利便性を向上

-デバイスの管理機能は昨年リリースされたそうですが、その経緯をお聞かせください

竹中様:使い続けていたアカウント管理システムがEOSLを迎えることを機に、新しい機能を追加する判断をしました。理由は2つあり、ひとつは退職時など、貸与した機器の回収に時間がかかる悩みがあったこと、もうひとつは棚卸をきちんとできるようにしなければという管理上の課題意識からです。当社はKDDIの通信インフラの建設や運用保守を担っています。従業員は技術者が多くパソコンは必需品ですが、基地局の建設や設備点検で屋外の業務にあたる場合にはモバイル機器も欠かせません。外に出ている従業員にとっては、コミュニケーションだけではなく基地局の検査・点検業務などにも使用したり、稟議システムにアクセスしたりと多様な用途があるため大変重要なツールです。日本国内各拠点のデバイス手配と管理を私たち情報システム部が一手に引き受けていますので、3,000名を超す従業員の貸与デバイスの管理には、システムの力が必須でした。

−どのような効果が得られましたか

工藤様:機能追加をする前は、貸与するデバイスの依頼をExcelで作成してワークフローで申請、承認後に手配する流れでした。依頼シートに記入し、ワークフローシステムに登録するという一連の処理にそれなりの時間がかかっていたのですが、アカウント管理システムにはワークフローの機能も備えているので、承認にかかる時間も短縮され、一人当たり40分から20分の削減効果を得られました。そして、退職にあたっては、アカウント管理システムでデバイス回収のステータス管理ができるようにし、メールの自動配信機能も実装したため、気づきのトリガーになり、貸与デバイスの返却がスムーズになりました。故障など、修理依頼もアカウント管理システムを介してできるようになり利便性が向上しました。

 

−更に機能改善したいことがあれば教えてください

堀部様:従業員が直感的に使いやすいシステムにしたいです。説明をしなくても使えるように、例えばファミリーレストランのタッチパネルを扱うような感覚で操作できるシステムになるといいですね。そうすると、使い方に関する問い合わせが減って管理側にもユーザー側にもメリットがあると思っています。それから、汎用的に使える項目を作るなど、使い方に少し幅を持たせることができればもっと利便性があがると考えています。利用方法を定義してシステム構築をしていますが、まれにイレギュラーな利用方法をしたいケースもあるので、システム改修ではなく利用者側で運用回避できるようになると便利だと思います。

KDDIグループとしての責任 お客様を支えるためにDXを推進

−情報システム部として、システムに求めるものは何でしょうか

竹中様:今はコミュニケーションツールも色々なものがありますので、連携が強化されるといいですね。当社はMicrosoft365を使っていますが、色々なシステムとシームレスにつながる環境がつくれると、業務効率やコミュニケーションの質があがると思っています。せっかくアカウント管理システムでIDを一括管理できているので、異なる複数のサービスがひとつのサービスのように使えるのが理想ですね。

工藤様:クラウドの優位性は強く意識しています。コスト面であったり可用性であったり、それからセキュリティが担保できるのも大きいです。

竹中様:セキュリティ対策は厳しくやっています。KDDIグループのセキュリティ基準に沿って、情報漏洩しない対策をしっかりとっています。また、KDDIのネットワークや通信設備の建設・運用保守を担っており、高品質で安定した通信サービスを提供する必要があります。従業員は社会インフラを支え、私たちは従業員の業務を下支えする、社内のITは24時間365日安定運用を守っていくという強い意志を持って仕事をしています。そういう意味でも、アカウント管理システムは、社内ITの根幹を支えるもので非常に重要です。

 

−今後、推進していきたいことをおしえてください

工藤様:情報システム部は従業員全員と関りを持つので、ポジティブな意見もネガティブな意見も聞こえてきますが、いいものを提供したいと常に思っています。アカウント管理システムはこれからも従業員の要望に応じて改修要件がでてくると思いますので、一緒に協議してよりよいシステムにしていきたいです。

竹中様:デジタル技術を活用した業務改善は常に実施してきましたが、トランスフォーメーションまでには至っていませんでした。今までデジタイズやデジタライズを進めてきて、24年度に「DX推進委員会」が発足し、全社でトランスフォーメーションの取り組みにチャレンジしています。「データドリブンでやっていこう」「生成AIを使っていこう」と、従業員の教育も進めています。データドリブンのために、どのようなシステムがありどのようなデータをとっていくのか、俯瞰図を作り始めていますが、アカウント管理システムのデータもその中のひとつなので、うまく活用できるようにしていきたいと思っています。

 

−アカウント管理システムが事業を支える重要な役割を担っていると伺い、思わず背筋が伸びました。貴重なお話をありがとうございました。

公開日:2025年6月20日
※本ページに記載の内容は取材当時の情報です