一般財団法人 生物科学安全研究所
月間300件の購買プロセスが劇的に変化!効率化の鍵はkintoneで構築したWeb-EDI


一般財団法人 生物科学安全研究所
職員数:80名(2025年10月現在)
所在地:神奈川
業種:CRO、検査機関
導入前の課題
- サーバーの老朽化やInternet Explorerのサポート終了を控え対応が必要だった
- 発注業務に無駄が多く時間がかかっていた
- アナログな業務フローが多く、デジタル化の必要性を感じていた
導入後の効果
- ペーパーレスが進みコストダウンになった
- Web-EDIにより取引先とのスムーズで正確な発注プロセスを構築できた
- データ活用がしやすくなった
- 導入サービス
- 発注・仕入申請ソリューション
データ連携ソリューション

購買管理システムをクラウド化し無駄を削減
−購買管理システムをリプレイスした経緯を教えてください
佐藤様:以前はスクラッチ開発したオンプレミスのシステムを利用していて、サーバーの老朽化やInternet Explorerのサポート終了など、喫緊の課題を抱えていました。既存システムの改修をしてそのまま使い続けることも検討にのぼりましたが、システムなのに無駄な業務が多いことへの不満もあったので、コストをかけるなら一から作り直してもいいのではないかと、幅広い企業に提案依頼の声がけをしました。ちょうどその頃COEL社のmanage勤怠の契約をしたばかりだったので、当時の営業さんにも相談して、今回導入したシステムの提案をもらいました。
−新システムの検討にあたり重要視したことは何でしょうか
佐藤様:当研究所では70名ほどの職員が働いています。医薬品や農畜水産物の安全性試験の実施など専門的な仕事をする人が多いのですが、中にはITに苦手意識を持つ人もいるので、出来るだけ前のシステムでの使い方を踏襲してデザインが変わった程度の気軽さで移行できるようにと考えていました。それから、とにかく業務を円滑に進められるように改善できることを重視していました。物品購入の業務を一元化して無駄な所作を全てなくしたかったので、取引先とのやりとりも電子化できるWeb-EDIの機能は魅力的でした。
Web-EDIにより業務効率が劇的に変化
−システムを切り替える前のオペレーションを教えてください
佐藤様:購入したい物品がある場合、現場担当者がシステムに購入依頼の登録をします。それを受けて購買部の担当者が取引先に見積依頼のFAXを送るのですが、相見積りが原則なので、ひとつの物品購入に10社程度のFAX送信をしていました。取引先から受け取る見積もFAXだったので、紙を並べて比較して購入先を選んでと、ものすごく非効率でしたね。
渡瀬様:発注もFAXでした。月間300件程の購入依頼があるので、その時の担当者は相当大変だったと思います。今はペーパーレスになったので、保管スペースもいらなくなり随分とコストダウンになっています。
−新システムではどのように変わりましたか
佐藤様:購入依頼はmanageのワークフローでの申請になりました。申請されると、kintoneで構築した購買管理のアプリにデータが連携されます。商品によって見積依頼をする取引先が異なりますが、取引先はマスタ化されていて複数の取引先に一斉に見積依頼をすることができます。取引先の担当者は、kintoneの連携サービス「じぶんページ」に見積依頼が届くので、確認して金額を登録します。
渡瀬様:購買管理のアプリでは、各社の見積金額が一覧表示できるようになっていて、金額や納期など一番条件のいい見積が強調表示されます。ひと目で発注先候補を見分けられるので、業務効率が格段にあがりました。
佐藤様:購買プロセスを一元的に管理したかったので、発注先を決めた後は元の購入依頼にその情報を連携しています。購入依頼の申請書に発注先や金額などの情報がセットされるので、申請者の上長は情報を確認して承認、その後発注処理に進みます。発注もkintoneの購買管理アプリから行うため、Web上でシームレスに連携されて様々な処理が効率的に進みます。納品の遅延もなくなりました。
−取引先の反応はいかがでしたか
佐藤様:どちらかというと、FAXのやり取りをやめたいと思っていた取引先も多かったのかもしれません。一社としてネガティブな反応はなかったですね。
渡瀬様:双方にとって良かったと思います。取引には購入品毎にIDがつきますので、問い合せの際にそのIDを伝えると、ぱっと画面を開いて同じデータを見ながら会話することができます。話がスムーズで齟齬もでません。
佐藤様:取引先は複数ありますし購入品目も多いです。取引履歴を紙で管理するのは難しいですが、システムをみれば取引の状況がすぐにわかります。取引履歴のトレースができて、データ活用しやすくなったことは大きなメリットですね。
システム化のメリットを最大限に活かして
−購買データはどのように活用されているのでしょうか
佐藤様:決算に使っていますね。それから、収支分析にも使っています。公益事業だけではなく収益事業もありますので、それぞれ必要な情報を用いて予算策定時の材料にしたりしています。
渡瀬様:医薬品や食品の検査では試験番号が割り振られていて、番号別に購入金額や購入先、件数などを抽出することができます。そういった情報を分析に利用することもあります。それから、ワークフローの設定で購買申請を全員が見られるようにしているのですが、例えば、同じ商品を購入したい時に別の人の申請書を再利用したり、前任者が退職した時でも前回の購入先を調べたりすることができます。使い勝手がよくデータ共有ができる点は、非常にメリットを感じています。
佐藤様:ペーパーレス、情報のトレース、検索やデータソートなど改善されたことが多くあり、システム化のメリットは計り知れないですね。
−今後の業務改善についてお聞かせください
佐藤様:kintoneで作った購買管理のアプリやmanageのワークフローはとても使いやすく、大変価値を感じています。引き続きペーパーレスを推進していきたいと思っています。今回の構築で、私たちから外部への注文は電子化されましたが、外部から私たちへの注文は依然として紙ベースのままです。例えば、狂犬病の抗体検査は申請書をダウンロードして郵送で送ってもらい、検査後の証明書も紙で発行し郵送しています。こういった一連のプロセスを全てデジタル化できれば、大きな業務改善につながりますので、今後も積極的に進めていきたいと思っています。
−常に改善視点を持ちながら業務の最適化を目指す姿勢が素晴らしかったです。貴重なお話をありがとうございました。
一般財団法人生物科学安全研究所では、製薬・食品・畜産・獣医療分野で、試験・研究開発から動物用医薬品の開発・承認申請コンサルティングまで幅広く実施しています。
詳しくはこちら:https://www.riasbt.jp/
公開日:2025年6月20日
※本ページに記載の内容は取材当時の情報です